設立趣意書

 
 建築をとりまく社会環境の激しい変化と共にこれまでと異なった機能・性能が建物に求められるようになってきました。例えば建築と静電気、電磁波、マイクロダスト、微小振動、ライフサイクルコストなど新たな視点から建築が見直されています。
 建築の中で果たす役割の大きさからして床もその例外ではありません。元来、床は多様な機能を求められていますが、今日さらに新しい機能・性能を持つことが期待されています。しかし、これらの期待にはまだ充分応えることができていないのが現状かと思われます。
 私達はこのような状況に積極的に取り組み、現代が床に求めている機能・性能について勉強会を過去2年半続けてまいりましたが、今回、これまでの成果をもとに正式の研究会を発足させることに致しました。本会の趣旨は建物の床がどうあるべきかを工学的立場から明らかにし、現在から未来にかけてより良い床を実現することにあります。活動の内容は床材料の構法・工法の調査・研究に留まらず、新しい性能評価方法の開発やその広報・普及活動など広範囲とする所存です。
 このような研究会の趣旨にご賛同いただき、ご参加をお願いする次第です。
 

昭和62年(1987年) 9月 

発起人代表   小野 英哲 

活動方針

 
社会情勢の変化や、それに応じた建築物内での活動の多様化を受け、床にも、従来にない新たな性能が要求されるようになってきました。時代の要請に合致した床を具現するために、床関係者には、分野や組織の枠組みにとらわれない情報交換や議論の場が必要です。また、近年は、建築に関する知識や経験だけでは解決できないトラブルも散見され、異分野からの情報提供や、逆に建築側からの情報発信の重要性も高まっています。本会は、このようなことが可能な開かれた場を提供することを目標に、バックグラウンドが種々異なる技術者や研究者がベテランから若手まで一堂に会し、共通の技術的課題について様々な視点から自由に意見を交わし合い、必要であれば協働して新たな解決策を模索するといった、魅力的かつ創造的な活動を志しています。また、これまでの活動で得られた成果の普及や社会実装にも、積極的に取り組んで参ります。さらに、一連の活動を通して会員各位が幅広い人脈を構築することも、重要な目的の1つと考えています。
 

令和7年(2025年) 5月 

建築床特殊性能研究会会長   横山 裕 

I.目的

建物の床に関する学術・技術を探求しより良い床材及び床の実現を促すことによって社会に貢献する。

II.事業

  1. 建築床特殊性能研究会の開催
  2. 調査及び研究
  3. 技術資料及び図書の刊行
  4. 講演会・講習会の開催
  5. その他必要と認める事項

Ⅲ.役員

会長 1名
副会長 2名以内
幹事 若干名
会計監査 2名 

Ⅳ.事務局

事務局は会長が指定する場所におく。
代表住所は東京科学大学建築学科福田研究室とする。 

Ⅴ.会員と会費

会員は以下の種別とし、会費は年会費として徴収する。

  • 個人会員 1万円以下
  • 法人会員 5万円以下
  • 名誉会長・名誉会員 無料

新規入会の会員は翌年度から徴収する。

Ⅵ.会計年度

4月1日~翌年3月末
但し、総会が行われる前日までは延長可

Ⅶ.沿革

本研究会の前身は昭和59年(1984年)11月に第1回が開催された帯電防止床研究会です。この研究会は「帯電防止を目的とする床材を対象とし、1)帯電防止性能試験方法の統一と基準の作成、2)維持管理方法の設定」を趣旨に、学識経験者、床材メーカーおよび建築会社の関係者が集まってできたものです。それ以降、各メンバーの自発的な参加に支えられ、この研究会は帯電防止に関する勉強会的な段階を過ぎ、より妥当な床の帯電防止性試験の開発まで進展して参りました。

昭和59年(1984年)11月 帯電防止研究会発足 会員13名

この間研究会を14回開催
会員16名となる

昭和61年(1986年)4月 床の帯電防止性能試験方法の開発に着手

昭和61年(1986年)10月 雑誌「建築技術」に「床の帯電防止を考える」を掲載

昭和62年(1987年)3月 床の帯電防止性能試験機詩作とその評価に着手